拒否ー発火

この取り組み作業は、このグループ(10名)では、現時点でNにしかできない作
業であり、Nが円滑に行なえるように、職員はマンツーマンで1週間の個別レクチャーを行なった。
<旨くいった?>
そして
今日、朝、取り組み作業の指示が出した。
話し方、雰囲気、Nに対する気遣いも、定型(マニュアル)通りだった。
そして、話しかける時に、この取り組み指示を職員がNに受け入れられているのかどうかと2回目を出した。

1回(定型)→2回(今回)→拒否―発火

拒否は、職員間では、Nの自主的な判断の拒否には、これまだ度々遭遇している・・・・。

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私はNの異変を、いかにもそれらしく祖述している。だが、本質的に言えば、これは水や空気のように支配している<未達の自意識>に由来している為に、明らかに言語で記述するだけの輪郭をもっていない世界の出来事だと言えます。
別言すれば、言語で記述すると輪郭が突出しすぎて、立ちのぼる事象の微細なニュアンスはすべて省略されたもののように映ってしまうのです。
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Nの奇妙なー言語規範から逸脱したー漂流言語集積からは、次のように主張しているようだ。

1、 自分は指示された取り組み作業をやろうと苦しみもだえていた。
2、 自分は苦しいこころ(の状態)をかかえていたので、作業指示を了解するにの
    時間が余計にかかる。→誰かの支援を待っていたわけでも、職員の強制的指示が
    あるまで、作業を放置していたわけではない。(←今回、実感的にも雰囲気的にも
    Nに対して、あるいは実務的にも、職員は発火以降追加の作業指示は出せていない状況です。)

Nは、発火しパニックになる、しばらく(10分ほど)泣きわめいた。
古いなじみの職員が、諭しなだめて、気がすんだようです。


背景要因として、今月から家を出て一人でグループホームに入居している環境の変化を挙げる人もいる。
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個別視点
N:おおまかな一日の作業の流れを今以上に、自信をもって把握できるようにする。
本人は施設内の事、部品組み立ての事などおまかに解かっているので、指示や了解(返事したこと)は、自立してやり遂げるようにする。−<職員が出来るだけ行なわない事>
他、例えばA職員と大きな声でコミュニケーションは図れるようにする。
N⇔Aをコミュニケーションツールの第1歩として、他の人にも大きな声でコミュニケーションが出来るように大きく育てる。別言すれば、自己表現やコミュニケーション力は今後も向上を図り、自分をもったいぶっている世界(=こだわりと不安の世界)の止揚を志向する。―<自信と尊敬がポイント>−<大雑把、おおまかが良い>→<のちのち、就労については、本人からのサイン、意図、意思を尊敬しながら別途考える。>
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<ぼくらは、今なにが出来て、あなたになにを伝え<ようとしているのか?>

身体的にいろんな部分がきしんでいる、精神的な困難は重層している。でも、ぼくらは
Nの突然の一見衝撃的な発火によって、Nのような存在によって、気力を振るい起こすことが何度あったかしれない。